見た目に大きな影響を及ぼす薄毛や抜け毛、気にしている人も少なくないでしょう。AGAという呼び方は一般的になってきましたが、一体何が原因なのでしょうか。AGAは病院での治療が可能なことを知っている人も多いでしょう。治療まで進む前に予防ができるなら、それに越したことはありません。今回はAGAとその原因、さらに予防について紹介します。
AGAとは?
AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で、男性型脱毛症のことを言います。思春期以降の男性に発症するもので、額の生え際や頭頂部の薄毛が進行していくものです。男性特有の脱毛症であり、薄毛や脱毛に悩む男性のほとんどがAGAであると言われています。思春期以降の男性であれば年齢問わず誰でも発症する可能性があり、発症すると適切な治療を行わなければ改善しないまま進行していくものです。そのため、発症後はできるだけ早く治療を行うことが重要でしょう。治療は基本的に専門の病院やクリニックを受診し、自分に合った薬などを処方してもらいます。
AGAの原因は?
AGAのはっきりとした原因はまだ解明されていません。いくつかの説があり、生活習慣やストレス、喫煙や飲酒なども影響していると言われますが、中でも大きな要因は遺伝であるという説が有力です。AGAの主要原因となる5αリダクターゼの活性度と、毛髪を作り出す毛乳頭細胞にある受容体の数は遺伝によって決まると言われており、そのため遺伝的影響が大きいと言われているのです。受容体の数が多いほど、抜け毛を引き起こすホルモンの影響を受けやすくなります。
AGAによる薄毛や脱毛は、4つのステップによって進みます。まず起こるのが、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンと、5αリダクターゼと呼ばれる還元酵素の結合です。次に、これらの結合によってジヒドロテストステロンと呼ばれるホルモンが生成されます。このジヒドロテストステロンは、悪玉男性ホルモンとも呼ばれ、皮脂の過剰分泌を生じさせ、抜け毛の原因ともなるものです。続いて起こるのが、ジヒドロテストステロンと男性ホルモンレセプターの結合です。これにより、発毛が抑制され、正常なヘアサイクルが乱れてしまいます。そして、ジヒドロテストステロンと男性ホルモンレセプターの結合により、TGF-βと呼ばれる、抜け毛の原因となる脱毛因子が増加し、脱毛が進行していくのです。
AGAの治療では、主にテストステロンと結合する還元酵素である5αリダクターゼを抑制し、ジヒドロテストステロンの発生を防ぐことを重視しています。AGAの脱毛部位には、高濃度のジヒドロテストステロンが見られることが分かっており、ジヒドロテストステロンの生成を抑制することが、AGAの進行を遅らせることに繋がることが分かるでしょう。
AGAを予防するには
AGAの予防としてまず挙げられるのが、「薬」です。AGAの治療薬はすでに発症しているAGAに対してだけでなく、予防としても役立つと言われています。AGAの薬は専門の医療機関で処方してもらう必要があるため、AGA専門の病院やクリニックで相談し、自分に合った薬を処方してもらいましょう。
自分でできる予防法としては、生活習慣の改善が挙げられます。睡眠時間を十分に取り、規則正しい生活やバランスの良い食生活は、頭皮環境にも良い影響を与えるでしょう。毛髪を作る上で欠かせない栄養素である「ビタミン」や「タンパク質」、「亜鉛」を意識して摂取することが大切です。また、頭皮環境を整えるために専用のシャンプーや育毛剤を使用することもAGAの予防に繋がるでしょう。
AGAの知識が予防につながる
もしかしたらAGAかも、と不安な思いからAGAに関する情報を遠ざけてしまう人もいるかもしれません。このまま抜け毛が進行していくのでは、と心配になりますが、まずは正しい知識を持つことが予防の第一歩と言えるでしょう。AGAは自分に合った治療を行うことで進行を遅らせたり、改善の可能性が見込めたりするものです。まずは正しいAGAの知識から、予防につなげていきましょう。